YOASOBIのikuraさんは本当に歌が上手です。
ミックスボイスと裏声を綺麗に使いこなし、さらにリズム感も良くて表現力もあります。
そしてAyaseさんが作る楽曲は毎回素晴らしく、何度も聴きたくなります。
今回はTVアニメ「BEASTARS」第二期オープニングテーマであり、今までのYOASOBIサウンドには無かった少しダークな楽曲「怪物」の歌い方を解説させていただきました。
Contents
「怪物」歌い方、ikuraさん(YOASOBI)のミックスボイスとリズム感に学ぶ
まずは原曲と歌詞を確認しましょう。
怪物
作詞:Ayase
作曲:Ayase素晴らしき世界に今日も乾杯
街に飛び交う笑い声も
見て見ぬフリしてるだけの作りもんさ
気が触れそうだ
クラクラするほどの良い匂いが
ツンと刺した鼻の奥
目を覚ます本能のまま
今日は誰の番だ?この世界で何が出来るのか
僕には何が出来るのか
ただその真っ黒な目から
涙溢れ落ちないように願う未来に何度でもずっと
喰らいつく
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も傷付けない
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるように素晴らしき世界は今日も安泰
街に渦巻く悪い話も
知らない知らないフリして目を逸らした
正気の沙汰じゃないな
真面目に着飾った行進
鳴らす足音が弾む行き先は
消えない消えない味が染み付いている
裏側の世界清く正しく生きること
誰も悲しませずに生きること
はみ出さず真っ直ぐに生きること
それが間違わないで生きること?
ありのまま生きることが正義か
騙し騙し生きるのは正義か
僕の在るべき姿とはなんだ
本当の僕は何者なんだ
教えてくれよ
教えてくれよ今日も
答えのない世界の中で
願ってるんだよ
不器用だけれど
いつまでも君とただ
笑っていたいから
跳ねる心臓が
体揺らし叫ぶんだよ
今こそ動き出せ弱い自分を何度でもずっと
喰らい尽くす
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も泣かないよう
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるようにただ君を守るそのために
走る走る走るんだよ
僕の中の僕を超える
発声の違いによって歌詞を下記のように色分けしました。
- 色無し→地声
- ピンク→ミドルボイス(もしくは地声)
- 緑→裏声
- 水色→ウィスパーボイス
- 青→がなり声
- 黄色→エッジボイス
ミドルボイスの部分は地声の可能性もありますのであくまで参考まで。人によってどちらで歌った方が良いか、切り替えのポイントも変わってきますので、歌いやすい方で練習してみてください。
「怪物」1番の歌い方
Aメロ
Ah~
素晴らしき世界に今日も乾杯
街に飛び交う笑い声も
見て見ぬフリしてるだけの作りもんさ
気が触れそうだ
クラクラするほどの良い匂いが
ツンと刺した鼻の奥
目を覚ます本能のまま
今日は誰の番だ?
Aメロは、少し気だるい雰囲気の歌い方です。
ですが、リズムにしっかりと乗ることによってスピーディーさとクールさが加わります。
2行目の「街に」を
「ま・ちに」としっかり切ります。ブレスはしません。
6行目の「ツンと」も
「ツン・と」と切ります。
「気が触れそうだ」は、ikuraさんのウィスパーボイスのコーラスが重なっていますので、
実際に一人で歌う場合はウィスパー気味に表現すると良いと思います。
Bメロ
この世界で何が出来るのか
僕には何が出来るのか
ただその真っ黒な目から
涙溢れ落ちないように
Bメロもリズムをしっかり歌でも表現します。
特に2行目の「僕には何が出来るのか」を
「僕には・な・にが・出来るのか」と、しっかりと区切る事によって雰囲気が出せます。
サビ
Ah~
願う未来に何度でもずっと
喰らいつく
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も傷付けない
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるように
サビはエッジボイスの「Ah〜」で始まり、そこまで高くない音域かと思いきや
3行目から高くなります。
「この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから」
のピンクの部分は、わりとわかりやすいミックスボイスで歌っています。
音はE5なのでけっこう高いですね。
「世界」という言葉の「せか」と「い」の間でブレスを取っていますので、ここでしっかり息を吸ってE5の高音に備えましょう。
その次のフレーズ
「もう誰も傷付けない
強く強くなりたいんだよ」
も、最高音はE5なのですが、こちらは裏声にして歌っています。
「怪物」2番の歌い方
Aメロ
素晴らしき世界は今日も安泰
街に渦巻く悪い話も
知らない知らないフリして目を逸らした
正気の沙汰じゃないな
真面目に着飾った行進
鳴らす足音が弾む行き先は
消えない消えない味が染み付いている
裏側の世界Ah~
2番のAメロも1番と同じようにリズムにしっかり乗りながら歌うと良いです。
4つ打ちのキック音(ドッドッドッドッというバスドラムの音)をしっかり聴いて合わせるとリズムに乗りやすいと思います。
後半はハモリの声が大きめに聴こえていて、これがなんともかっこいいのですが、一人で歌うときはメインパートを歌うとしっくり来ると思いますが、あえてハモリパートを歌っても面白いかもしれませんね。
Dメロ
清く正しく生きること
誰も悲しませずに生きること
はみ出さず真っ直ぐに生きること
それが間違わないで生きること?
ありのまま生きることが正義か
騙し騙し生きるのは正義か
僕の在るべき姿とはなんだ
本当の僕は何者なんだ
教えてくれよ
教えてくれよ
Dメロはかなり無機質な歌い方をしています。
ですが、「本当の僕は何者なんだ」で一気に感情が入ります。
「教えてくれよ」はD#の音を使っていますので、地声だと高くて出づらい場合はミックスボイスで歌いましょう。
落ちサビ
今日も
答えのない世界の中で
願ってるんだよ
不器用だけれど
いつまでも君とただ
笑っていたいから
Ah~跳ねる心臓が
体揺らし叫ぶんだよ
今こそ動き出せ
落ちサビは1番のサビと比べて1音半(3度)下がります。
ここまで音を下げるとサビだとわならないような不思議な雰囲気になりますね。
裏声の部分は息を多めに出して歌っているように聴こえます。
実際に歌う場合は休憩できるパートですので、最後のサビに向けて温存しながら歌いましょう。
最後サビ
Ah〜弱い自分を何度でもずっと
喰らい尽くす
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も泣かないよう
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるようにただ君を守るそのために
走る走る走るんだよ
僕の中の僕を超える
最後のサビは1番のサビと比べて半音上がりますので、最高音もF5になります。
高いので無理をせずに、裏声やミックスボイスを使って歌いましょう。
力んでしまうと歌いきれなくなります。
最後のブロックはC5〜F5の音が連続で出てきますので、
最初のA4の音からミックスボイスを基準にして歌った方が歌いやすいと思います。
低い部分からミックスボイスにすることによって綺麗に聴こえますが、声帯の大きさによってどうしても合う合わないがありますので、何度も歌ってみてご自分が1番歌いやすい切り替えポイントを見つけてみてください。
まとめ:「怪物」歌い方、ikuraさん(YOASOBI)のミックスボイスとリズム感に学ぶ
おつかれまでした。
この曲は常に4つ打ちのリズムで、スピードも早いです。
無機質な歌い方でもリズムと音程はしっかりと取って歌っていくのはかなり難しいと思います。
そしてサビは音域が広くて高いです。
ikuraさんの高音は、民謡歌手のような独特な響きを持っていて、とても美しいですよね。
決して無理に張り上げること無く、ミックスボイスと裏声を多用しています。
ikuraさんご本人も
「裏声を地声のように聴かせるミックスボイスという歌い方をしています」と、
とある配信ライブでおっしゃっていました。
ミックスボイスを練習している方は、ikuraさんの歌声を参考にしてみてください。
そしてYOASOBIの楽曲は最後のサビで転調することが多いので、しっかり歌えるようになれば音感も鍛えられますし、歌える音域も広がると思います。
YOASOBI「夜に駆ける」や「アイドル」の歌い方解説もありますのでこちらもよろしければ参考にしてみてください。