【ボイトレ基礎・応用編】がなり声の出し方とは?練習方法を解説!の記事がとても好評でして、読んでくださった方からデスボイス(デス声)についての質問もたくさんいただきました。ありがとうございます。
なので今回はデスボイス(デス声)についての解説と出し方、練習方法をまとめていきますね。
がなり声の出し方についてはこちらの記事をご覧ください。
Contents
デスボイスとは?
まずはこちらの動画をご覧ください。
スウェーデンのデスメタルバンド『ARCH ENEMY』の「The World Is Yours」という楽曲のミュージックビデオですが、0:36から入ってくるボーカルの声がデスボイスやデス声と言われている声です。(ちなみにボーカルはアリッサ・ホワイト=グラズという名のとても綺麗な女性です)
このデスボイス(デス声)とは、主にデスメタルバンドのボーカルが出すような怒りや悲しみ、苦しみ等を表現するダミ声のような声質の事を指します。なので日本ではこのような声がデスボイスと呼ばれるようになりました。
デスボイスの発祥に関しては諸説ありますが、1980年代中期に活動を始めたアメリカのDEATHというデスメタルバンドのボーカルであるチャック・シュルディナーがデスボイスの元祖であると言われています。
では、デスボイスとがなり声は何が違うのでしょうか?
デスボイスとがなり声の違いとは?
デスボイスとがなり声の違いですが、
- がなり声は音程を通常の発声時と同じようにコントロールして使う声です。仮声帯も声帯もしっかり閉じて息の量は少なく発声します。
- デスボイスは音程という概念をあえて無くし、怒りや憎しみなどの感情を叫ぶように出す声です。仮声帯は閉じますが声帯は緩めて少し開け、息の量は多く発声します。
発声方法も違いますが、厳密に言えば表現する事柄も違ってきます。
今でこそデスボイスは色々な楽曲で使われるボーカル技法の一つとして認知されていますが、元々はデスメタルバンドの歌詞のテーマである『死や地獄』といった事柄を表現するための技法だったので、音程が無くなり叫ぶようになったんです。
デスボイスの出し方
デスボイスが出る原理とは?
デスボイスを出す時の声帯はしっかりと閉じておらず開き気味の状態です。なのでデスボイスは息の量が多くなります。
そして仮声帯をがなり声の発声時と同じように閉じます。
その状態で呼気圧を強くして声を出そうとすると、声帯と仮声帯が強く振動し、デスボイスが出ます。
デスボイスの出る原理を理解したら喉をその状態に持っていけば良いのですが、まずはデスボイスを出した時の喉の感覚を簡単に掴める方法からお伝えします。
デスボイスの練習方法①
まず始めに、大きなあくびをする時と同じように口を大きく開けます。実際のあくびをする時と同じように舌根を下げて軟口蓋を上げ、喉もしっかり開けてくださいね。
次にその状態から「ハァ〜!!」とため息を強く深く吐きます。この時、しっかりと腹式呼吸で息を吸って横隔膜のポンプを使いお腹から強く息を吐きましょう。
そうすると、息に混じってゴロゴロっとした声が出ます。
デスボイスを発声している時の感覚は、息を強く吐いている感覚に近い事がわかります。
デスボイスの練習方法②
次に、「ハァ〜!!」と出したデスボイスを言葉に変えていくのですが、「ハァ〜」から始まり「ハァ〜ヒィ〜フゥ〜ヘェ〜ホォ〜!!」と発声してみましょう。
出来ましたか?
それが出来たら今度は「ABCDEFG〜」とアルファベットを順番に発声してみましょう。
なぜアルファベットで発声練習をするかというと、日本語の五十音よりアルファベットの発声の方が喉に負担がかかりにくいからです。
慣れてきたら「アイウエオ」「カキクケコ」と五十音も発声していきます。
最後は、実際に歌を歌って練習してみましょう。
歌も、日本語より英語の歌詞の方が喉に負担はかかりにくいです。
まとめ:【ボイトレ応用編】デスボイス(デス声)の出し方、練習法を解説
いかがでしたでしょうか?
デスボイスはその表現内容から、使う人とあまり使う機会が無い人とではっきり別れる歌唱法です。
元々はデスメタル系のバンドでしか使わない声でしたが、最近では歌の一部分だけデスボイスで歌うというボーカリストも増えましたね。
こちらはPAGAN’S MINDというノルウェーのメタルバンドの「Through Osiris Eyes」という楽曲のミュージックビデオです。
最初はクリアな声で歌っていたと思いきや、1:32の部分からダミ声になり、1:38からデスボイスに切り替わっていますね。デスメタルバンドじゃなくてもこのように効果的にデスボイスを使えれば、表現の幅は広がります。(デスボイスを使える楽曲はかなり限定されますが。。)
デスボイスは喉に負担がかかりやすいので、気をつけながら練習しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。