今回のテーマはビブラートです。
上手なボーカリストは歌のフレーズの中でビブラートを効果的に使っていますよね。
そして友達とカラオケに行った時など、ビブラートをかけてる人ってなんだか上手に聞こえますよね?
そんなビブラートについて、種類とそれぞれの練習方法を説明していきたいと思います。
Contents
ビブラートとは?
ビブラートの基本
ビブラートとは、音を細かく上下に揺らすテクニックの事です。
主に歌の中のフレーズの最後につけることが多く、上手なビブラートは聞き手を心地良くさせてくれます。
さらに上手な人は、曲のテンポやフレーズによって上下させる音程の幅や上下させる音と音の間隔をコントロールして最適なビブラートをかけることが出来ます。
そんなビブラートにも種類があるんですね。次はビブラートの種類について見ていきましょう。
ビブラートの種類
ビブラートの種類ですが、正確な定義こそ無いのですが主に
- ノーマルビブラート
- ちりめんビブラート
の2種類に分けられる事が多いです。
ノーマルビブラートは体を使って音を上下にコントロールしますので、曲やフレーズによって上下する音程の幅や間隔をコントロールし、使い分ける事が可能です。
例えば、バラードでサビの最後のロングトーンはダイナミクスを出すために音程の上下の幅を大きくして上下の間隔は3連符にして深さを出したり、アップテンポの曲では音程の上下の幅を小さくしてビートに合わせた間隔で揺らしたり、と使い分けることが出来ます。
それに対し、ちりめんビブラートと呼ばれているビブラートは、とても小刻みに音が上下してその上下の間隔がとても短いビブラートの事でです。
なので基本的に音の上下の幅や間隔をコントロールするのは難しいです。というより、ちりめんビブラート=音の上下幅と間隔が狭いなのです。
よく、声が震えているようなビブラートとも言われますが、体を使ってかけるというより喉元を使ってかけるイメージです。
それではここから、それぞれのビブラートの練習方法について触れていきますね。
ノーマルビブラートの練習方法
息の支えを作る
まずは、腹式呼吸で息の支えを作ります。
腹式呼吸と息の支えについてはこちらの記事で練習方法を詳しく説明しています。
息の支えがしっかり出来たら、次は自分の出しやすいチェストボイスの音域でロングトーンを出します。
声量は楽にしっかり出せる大きさで、体全体はリラックスした状態を保ちます。
音程の上下を繰り返す
ロングトーンを出しながら、ゆっくり音程を上下させます。
ここでビブラートの音程についての注意点ですが、ビブラートは二つの音程の音を行き来しますが、聴覚上は上の音と下の音のどちらの音を出していると認識するでしょうか?
答えは上の音です。
どういうことかというと、例えば『ド』の音でビブラートをかけたければ『ド』とその半音下の音である『シ』の音を繰り返し行き来すれば、『ド』の音にビブラートをかけている、と感じるのです。
なので、ロングトーンの出し始めの音から半音下げて戻して、というように音程を上下させるように練習します。
最初はBPM(テンポ)140ぐらいのスピードに合わせて音を上下させます。そこから少しずつテンポを早くして上下させていきましょう。
最初から上手くは行かないので、出来なくても焦らずゆっくりチャレンジしましょう。焦るとどうしても余分な力みが生じてしまいます。
回数をこなして慣れてくると、だんだん早いテンポに追いつくようになります。
目標はBPM400を目指しましょう。
歌の中でビブラートを使う
早い上下ができるようになったら、次は歌の中でビブラートを使ってみましょう。
最初はゆっくりな曲のフレーズの最後のロングトーンから練習するのがオススメです。
歌の中で使えれば、とりあえずは習得したと思っていただいて大丈夫です。
そこからは自分のセンスで、歌のどの部分に入れるか、ロングトーンならどこからビブラートをかけるか、どんな間隔で上下させていくか、などを研究してみてください。
好きなアーティストのビブラートのかけかたや間隔を真似てみるのも良いと思います。
できれば色々なアーティストのビブラートを聴いてみて、自分のレパートリーを増やしましょう。
ちりめんビブラートの練習方法
ちりめんビブラートですが、あまり良くないビブラートと言う人もいますが、僕はそんなことはないと思っています。
ちりめんビブラートは癖でかけてしまっている人が多く、ノーマルビブラートのようにコントロール出来ない場合が多いので、そういった意味で良くないのかもしれませんが、ノーマルビブラートをコントロール出来た上でちりめんビブラートも使えれば表現の幅は広がりますよね。
それでは練習方法を説明していきます。
息の支えを作る
ノーマルビブラートと同じで、まずは腹式呼吸で息の支えを作ります。
腹式呼吸と息の支えについてはこちらの記事で練習方法を詳しく説明しています。
『ハ』の声に息を混ぜていく
自分の出しやすいチェストボイスの音域で『ハ』の発音でロングトーンを出します。
ポイントは口をしっかりと開き、咽頭を下げる事です。あくびの時のと同じ喉の状態ですね。そして声量はあまり出さずに抑え気味にします。
その状態で『ハーーーー』とロングトーンを出しながら、息の量を増やしていきます。どんどん増やしていくとあるポイントから『ハハハハハハ、、、』と声が震えたように小刻みになります。
これがちりめんビブラートです。一度コツを掴んでしまえばとても簡単です。
色々な発音と声量で練習する
『ハ』の発音で何度も練習し、ちりめんビブラートの喉の状態を覚えたら、違う発音でも発声してみましょう。
大体の発音でかかるようになったら歌の中でちりめんビブラートを使う練習をしていき、声量をしっかり出した時にもかけられるように練習します。
人によってかけにくい言葉や声量が出てくると思いますが、『ハ』の発音で出来たなら練習すれば他の言葉や声量でも必ずできるようになりますので、頑張って練習してみてください。
ビブラートの応用と注意点
ビブラートの応用
ビブラートを使いこなせるようになったら、曲によって音を上下させる幅やテンポを色々と変えてみましょう。
例えば
- 上下の幅を大きくしてゆっくりかけると演歌歌手のようになったり
- 8ビートのテンポが早い曲には8部音符で上下にかけたり
- バラードでは3連符で上下幅を大きめにしてスケール感を出したり
などと、ビブラートはかけ方一つで表情がものすごく変わるテクニックです。
色々と試してみましょう。
ビブラートの注意点
ビブラートができるようになると、つい使いたくなってしまいます。
フレーズの終わり全てにビブラートを使ってしまったりするのは良くない場合がほとんどです。
なのでビブラートは使いすぎ禁物です!
歌の中で効果的に使い、歌をより良いものにする一つのテクニックだということを絶対に忘れないようにしましょう。
たまに、気持ち悪いぐらいビブラートをかけて歌っている人っていませんか?もしあなたが自己満足で歌っていたとしても、気持ち悪いとは思われたくないですよね。
なので、歌の中でビブラートを練習する際には録音して自分の歌を聴きかえす事をお勧めします。聴きかえすことによって、ここのビブラートはいらないかな?ここはもっとゆっくりかけた方が良いなか?などとわかってくるはずです。
まとめ:【ボイトレ基礎】ビブラートについて、種類と練習方法まとめ!
色々なビブラートが使えるように慣れば、歌の表現の幅も広がります。
決して答えはありませんが、歌の中で聴き手を心地よくさせるビブラートを是非研究してみてくださいね。