以前の記事でお話ししましたミドルボイスが2種類ある件について質問をたくさんいただきましたので、今回はそれぞれのミドルボイスの練習方法を紹介したいと思います。
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ミドルボイスの種類
ミドルボイスですが、主に2種類あると僕は解釈しています。
- 呼気の弱いミドルボイス
- 呼気の強いミドルボイス
プロのシンガーに例えると、
- 呼気の弱いミドルボイスは平井堅さんや宇多田ヒカルさん
- 呼気の強いミドルボイスはONE OK ROCKのTAKAさんやOfficial髭男dismの藤原聡さん、MISIAさん
などが挙げられます。
基礎の部分である
- 腹式呼吸
- 声の支え
- 鼻腔共鳴
は同じなのですが、圧倒的に違うのが呼気圧(息によって声を出す力)です。
それではここから、それぞれのミドルボイスの練習方法を解説していきます。
呼気の弱いミドルボイスの練習方法
まずは呼気の弱いミドルボイスの練習方法を解説していきます。
ミドルボイスを練習するには、しっかりした腹式呼吸と声の支えが必要になりますので、まだ出来ていない方は下記の記事で練習方法を説明していますので合わせて読んで見てくださいね。
ハミングで地声〜裏声を行き来する
まずはしっかり腹式呼吸で息をたっぷり吸い、声を支えた状態でハミングをします。
- 地声で楽に出せる音域で出してください。
- 声量は抑えてください。
- ハミングは鼻腔共鳴を意識してください。
そこから、ハミングのままファルセットの音域までゆっくり音程を上げていきます。
- 男性ならC5ぐらいまで
- 女性ならE5ぐらいまで
イメージの掴み方としては、眉間のあたりから出ている音をどんどん釣り上げていく感じです。音に合わせて眉毛を上げていくとやりやすいと思います。
地声からファルセットまで音を上げていく時に、声量を抑えることによって声が裏返りづらくなります。
裏返ったら最初からやり直してください。
ファルセットまで音を上げたら、今度は地声の低い音域までゆっくり音を下げていきます。
この時も声量を抑えて地声に切り替わる感覚が無いように気をつけましょう。
この音域の上下を繰り返し、スムーズに裏返らずに出来るようになったら、次はハミングを言葉に変えます。
ハミングを「マ」に変える
ハミングと同じ体の使い方と声の響かせ方のまま「ま」の発声に変えます。
そして、「ママママママママ〜」とドレミファソラシドの音階に沿って1オクターブ上昇し、「ママママママママ〜」と1オクターブ下降して元に戻ります。
- 女性ならE4からE5の1オクターブを上下
- 男性ならC4からC5の1オクターブを上下
ポイントは
- 声をしっかり支える
- 声量を抑える
- 鼻腔共鳴を意識する
です。
これらのポイントを押さえれば、声が裏返りづらくなります。
「マ」を違う言葉に変える
「マ」でスムーズに出来るようになったら、違う言葉でも出来るように練習しましょう。
人によってやりづらい言葉は違いますが、「エ」行の言葉がやりづらいという方が多いと思います。
違う言葉でも出来るようになったら、あとは歌で練習するだけです。
呼気の強いミドルボイスの練習方法
次は、呼気の強いミドルボイスの練習方法です。
ティッシュ・ブロウで呼気の基礎強化をする
まずはティッシュ・ブロウがしっかり出来るぐらいに横隔膜のポンプを鍛えます。
ティッシュ・ブロウの詳しいやり方についてはこちらの記事でまとめていますので、合わせて読んでみてくださいね。
【ボイトレ基礎】腹式呼吸を強化!ティッシュ・ブロウで横隔膜を鍛える
「バッ」の発声で地声とミドルの音域を行き来する
ティッシュ・ブロウの時と同じ体の感覚で「バッ」と強く発声し、ドレミファソファミレド〜の基礎スケール練習をします。
- 女性なら最低音がC4から始め、最高音がE5になるまで音を上げていきます
- 男性なら最低音がA4から始め、最高音がC5になるまで音を上げていきます
裏返ることなくスムーズに声がつながれば成功です。
ただし、喉に力が入って固い声で無理やり出してしまっている可能性もあるので、喉を開いて力まないように注意しましょう
喉を簡単に開く方法は下記の記事で解説しています。
【ボイトレ基礎:ミドルボイス・ミックスボイス練習方法】超簡単に喉を開く方法
「バッ」でスムーズに音の上下が出来るようになったら、次は「グッ」や「ネィ」で同じように練習してみましょう。
「ア」の発声で地声とミドルの音域を行き来する
「バッ」「グッ」「ネィ」で出来るようになったら、「ア」で同じように音を上下してみます。
注意点は
- しっかり喉を開けてリラックス
- 声をしっかり支える
- 横隔膜のポンプを使う
- 鼻腔共鳴を意識する
横隔膜のポンプから勢いよく声を支えながら出すように意識しましょう。
横隔膜から出た声が勢いよく眉間を通って空高く飛んでいくイメージです。
なので、胸から上は力を入れずリラックスした状態が必要です。
力んだ部分があるとその部分が飛んでいく声の邪魔をしてしまい、声が引っかかったり裏返ったりしてしまいます。
「ア」の発声でもスムーズに出せるようになったら、あとは歌の中で練習しましょう。
まとめ:【ボイトレ基礎:ミドルボイス・ミックスボイス】種類別ミドルボイスの出し方練習法
共通の注意点としては
- 腹式呼吸で声をしっかり支える
- 喉は開いてリラックスする
- 鼻腔共鳴を意識する
です。
2種類のミドルボイスは、曲やフレーズよって使い分けられたらベストだと思っています。
表現の幅が広がりますし、歌唱中のリスクヘッジにもなりますので、練習して是非マスターしてください。