デビュー当時、その圧倒的な歌唱力から
「マライアキャリーの再来」と言われていたアリアナ・グランデ。
歌唱力だけでなくキュートなルックスも兼ね備えていて、
若者の支持を得て世界的なスターになりました。
そんなアリアナ・グランデが
マライア・キャリーの「Emotions」をカバーした動画を
YouTubeにアップしているのをご存知ですか?
こちらがその動画です。
この曲は常にキーが高く、テンポも早めで歌うのが難しい曲なのですが、
当時19歳だったアリアナ・グランデは余裕を持って歌っていますよね。
さらにサビ前のホイッスルボイス(笛の音のような超高音域の声)も
しっかりキメています。
恐ろしい歌唱力です。
という事で今回は、
アリアナグランデとマライアキャリーが歌う「Emotions」を聴いて
高音の歌い方の大きな違いを解説していきたいと思います。
是非最後まで読んでみてください。
アリアナ・グランデとマライア・キャリーの歌い方の大きな違い
歌が上手な人は沢山いますが、歌い方も歌手によってさまざまです。
圧倒的な歌唱力を持つアリアナ・グランデとマライア・キャリーの
それぞれの歌い方を解説していきます。
アリアナ・グランデの歌い方
まずはアリアナ・グランデの歌い方ですが、
高音域では裏声を太く響かせる声(ミックスボイス)を多用してます。
アリアナ・グランデは歌う時に口の中の空洞を大きく作り、
しっかりと太く響かせているのが動画を見るとわかります。
口角を上げて下顎を若干しゃくり気味にしっかり下げ、
空間をより大きく作っているように見えますよね。
そして低めの音域から裏声に切り替え、
裏声で出すには低い音域の声をしっかりと裏声で出せるように
訓練しているんだと思います。
声質は、ソフトでキーが高めです。
喋り声がナチュラルミックスボイスになっています。
普段からミックスボイスで声を出していると
裏声を出す感覚を鍛えることができますので
ミックスボイスを練習している人には
普段の話し声をミックスボイスにして喋ると
上達が早くなるのでオススメです。
歌声は
- 全体的に口腔共鳴と鼻腔共鳴の両方をしっかりと鳴らしているように聴こえます。
- 低音域はしっかり胸に響かせるチェストボイスと軽く囁くようなウィスパーボイスを使うことが多いようです。
- 中音域はミックスボイスかウィスパー気味の裏声をよく使っていますね。
- 高音はしっかり太く響かせたミックスボイスを多用しています。
- さらにホイッスルボイスも使いこなせています。
マライア・キャリーの歌い方
それに対しマライア・キャリーの歌い方ですが、
高音域まで地声をベルトして出しているように聴こえます。
所々、あえて裏声にしている部分があるのはわかると思いますが、
強い高音は全て地声(ベルティングボイス)のように聴こえます。
マライア・キャリーは、
「喉が弱いため、ツアーで調子が悪い時がよくある」と、
とあるインタビューで話していたのですが、
おそらくベルティングボイスの多用により、
喉を酷使してしまっていたのではないかと思います。
声質はハスキーで、アリアナ・グランデに比べると少し硬い声だと思います。
歌声は、
- 共鳴ポイントは鼻腔共鳴が中心です。
- 低音域は胸に深く声を響かせています。
- 中音域は鼻から前に響かせるように歌ってるように聴こえます。
- 高音域はベルティングボイスです。
- もちろんホイッスルボイスも使いこなしています。
結論
さて、もうこの記事の結論になってしまいますが、
アリアナグランデとマライアキャリーの高音の歌い方の大きな違いは
- アリアナ・グランデ=高音域を裏声(ミックスボイス)で歌っている
- マライア・キャリー=高音域を地声(ベルティングボイス)で歌っている
です。
一聴すると、どちらも低音から高音までしっかりと出していて
とにかく凄い!と思いますが、
根本的な声の出し方が違う
ということなんですね。
なので響かせるポイントも変わってきます。
アリアナ・グランデは共鳴ポイントが口腔と鼻腔の両方なのに対し
マライア・キャリーは鼻腔共鳴が中心だと感じました。
「Emotions」を練習するのであれば
どちらの歌い方で練習するのかを先に決めておかないと
歌声が安定しないと思います。
まずは、自分がどちらのタイプの歌い方なのか、
もしくはどちらの歌い方で歌いたいのか、
をしっかり把握してから練習に臨みましょう。
余談
アリアナ・グランデとマライア・キャリー、どちらも素晴らしい歌手ですが、
特に高音の発声は大きく違うということがわかりました。
2人が歌うそれぞれの「Emotions」を聴き比べてみると、
とても面白いですし参考になりますね。
ミックスボイスに比べると喉に負担がかかります。
マライア・キャリーのライブ動画を観ると、
所々苦しそうに高音を出している部分がありますが、
アリアナ・グランデはどんな時も高音を楽に出しているのが確認できます。
ですので、ベルティングボイスを多用する方は
自分の喉がどれだけ歌っても大丈夫なのかを
しっかりと把握しておく事が大事です。
それがとても上手なのが、ブルーノ・マーズだと思います。
ブルーノ・マーズの高音は
ベルトして張り上げていくので時に辛そうなのですが
裏返ったり音がフラットしたりする事がありません。
自分がどれだけ歌っても大丈夫なのかを熟知しているからこそ
あそこまでギリギリのポイントで歌えているのだと思います。
上手なシンガーの声をたくさん聴いて、色々研究してみてくださいね。