今回は椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」東京事変ライブバージョンの歌い方解説をさせていただきたいと思います。
僕の教え子で「丸の内サディスティック」をカバーしていた子がいたのですが、ふと「ベンジーってなんの事か知ってる?」と聞いたら「知らないです」と言われ、歌詞の意味を理解してないで歌ってるんだ、、、
と思った出来事がありました。
なので、曲中に沢山出てくる普段あまり使わないであろう言葉の意味も一緒に解説していきます。
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「丸の内サディスティック」歌い方!椎名林檎さんの歌声と歌詞の意味を解説!
まずは、「丸の内サディスティック」東京事変ライブバージョンの動画をチェックしてみましょう。
発声の違いによって歌詞を下記のように色分けしました。
- 色無し→地声
- 緑→裏声
- 水色→ウィスパーボイス
- ピンク→ミドルボイス
- 紫→がなり声
丸の内サディスティック 作詞・作曲:椎名林檎
報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無いリッケン620頂戴
19万も持って居ない 御茶の水マーシャルのにおいで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ最近は銀座で警官ごっこ
国境は越えても盛者必衰領収書を書いて頂戴
税理士なんて就いて居ない 後楽園将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って青 噛んで熟って頂戴
終電で帰るってば 池袋マーシャルのにおいで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って出典:丸の内サディスティック
フレーズによって太く歌ったり声帯を強く閉めて喉にひっかけるように歌ったり、がなり声や巻き舌など、いろんな表情の歌声を持つシンガーですね。
そして色気や可愛らしさ、力強さもたっぷりあります。
椎名林檎さんからは発声の上手さももちろん学べますが、表現力がとても勉強になりますね。
それでは早速解説していきます。
「丸の内サディスティック」1番の歌い方
Aメロ
報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無い
Aメロの入りはウィスパー気味の声で入っています。「並行線で〜」とフレーズの最後に行くにつれてだんだん強く(クレッシェンド)歌っています。
「何も無い」をちょっと鼻にかけて可愛らしく歌っていますよね。
Bメロ
リッケン620頂戴
19万も持って居ない 御茶の水
「リッケン」の「リ」が巻き舌になっています。椎名林檎さんは巻き舌をよく使います。
リッケン620というのはリッケンバッカーという楽器メーカーのギターのことで、ここの歌詞の内容は”リッケン620を楽器屋がたくさんある御茶ノ水に買いに行ったら19万円もするから買えません”って事ですね。
サビ
マーシャルのにおいで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
フレーズの頭にがなり声を使っています。
がなりごえについてはこちらの記事で練習方法を解説していますので合わせて読んでみてください!
「達して居るだけ」の部分はC5の高音なので裏声を使っていますね。原曲ではミドルボイスで地声のように歌っていました。
マーシャルとはギターアンプメーカーの事で、「マーシャル」と言うだけでマーシャル製のギターアンプの事も意味します。
ラットと言うのはギターの音を歪ませる機材(エフェクター)の事です。
ギタリストの間では、ギターとアンプ以外の機材は歪み系のエフェクター1つだけでライブをやるというスタイルがかっこいいと言われていた時代があったので、「ラット1つを商売道具にしているさ」=「かっこいい」なんです。
ベンジーとはBLANKEY JET CITYと言うバンドのギターボーカルだった浅井健一さんの愛称です。現在はソロで活動しているミュージシャンですが、椎名林檎さんは浅井健一さんのファンである事を公言しています。
「丸の内サディスティック」2番の歌い方
Aメロ
最近は銀座で警官ごっこ
国境は越えても盛者必衰
1番のAメロと同じで、入りはウィスパー気味の声で歌っています。
Bメロ
領収書を書いて頂戴
税理士なんて就いて居ない 後楽園
Bメロは全体的に口腔共鳴を使って太く発声しています。
「こうらくえん⤵︎」の「ら」が巻き舌になっていて、その後の「えん⤵︎」でフォール(音程を下に落とす)しています。
サビ
将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って
ここもC5の高い部分は裏声とミドルボイスを使っています。
ベンジーは先ほど説明した浅井健一さんですが、
グレッチとは、ベンジー(浅井健一)が愛用しているギターの事です。(正確にはギターメーカーの名前です)
そして「ピザ屋の彼女」ですが、これは浅井健一さんがギターボーカルを務めていたBLANKEY JET CITYの楽曲「ピンクの若い豚」に出てくる歌詞の一部です。
BLANKEY JET CITYの楽曲の歌詞は、
BLANKEYさんが市長を務めるJET CITYという街の出来事という設定です。なので「ピザ屋の彼女になってみたい」と言うのはJET CITYの住人になってみたいという意味が込められている、と言われています。
Bメロ
青 噛んで熟って頂戴
終電で帰るってば 池袋
「青 噛んで熟って頂戴」の部分はかなりセクシーに息っぽい声にしています。
「青 噛んで熟って」の意味は、ここでは説明しづらい意味なので「青 噛んで」を平仮名にしてググってみてください。
サビ
マーシャルのにおいで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って
最後のサビですが、爆発的に盛り上げて歌い上げると言うよりは、ふつふつとした怒りやイライラに耐えながら歌っているような感じです。
なので最後だからといって気合を入れすぎて歌うとちょっと雰囲気が違ってしまうかもしれません。
それそれの解釈があって良いと思いますが、椎名林檎さんはそんな感じかな〜と思います。
まとめ:「丸の内サディスティック」歌い方!椎名林檎さんの歌声と歌詞の意味を解説
お疲れ様でした。
この曲は1999年にリリースされた椎名林檎さんのアルバム「無罪モラトリアム」に収録されている曲でシングルカットはされてないのですが、とても人気で今の10代の若いシンガーもこぞってカバー動画をSNSにアップするほどの有名曲です。
椎名林檎さんが現在活動しているバンド『東京事変』でも歌い続けているので、きっとこの曲はいつまで経っても色あせない名曲なんだろうなと思います。
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